
ニキビ跡
01
ニキビ跡の種類
ニキビ跡には下の4種類があります。




①ニキビが治った後も残る赤いポツポツ(炎症後紅斑)
炎症によって増えたり太くなったりした血管が透けて見えているもの。
軽度であれば数年単位で薄くなっていきますが、炎症が強かったり、何度も繰り返し炎症が起きたりすると消えにくい場合があります。
②茶色いシミのような跡(炎症後色素沈着)
炎症によってメラニンが作られシミやくすみのように黒ずんで見える状態。
通常半年程度で薄くなっていきますが、肌のターンオーバーが滞っている場合や紫外線等の影響でシミのようにに変化している場合、その後も残る可能性があります。
③クレーター(萎縮性瘢痕)
炎症が皮膚深くにまで及ぶと、皮膚が壊され新しい組織(瘢痕組織といいます)に置き換わります。
この瘢痕組織が足りないとクレーターになります。
④盛り上がったニキビ跡(肥厚性瘢痕、ケロイド)
瘢痕組織が作られすぎると、盛り上がって肥厚性瘢痕やケロイドになります。
02
治療
ニキビ跡の種類ごとに適切な治療を見ていきましょう。
○ニキビが治った後も残る赤いポツポツ(炎症後紅斑)
炎症後紅斑は血管が原因なので、①血管を焼いて除去する ②皮膚のターンオーバーを促す の二つが治療になります。
①血管を焼いて除去する
…血管の赤みに吸収されるレーザーや光、高周波を当てて血管を壊し赤みを除去

▶︎色素レーザー(Vビーム)、ロングパルスヤグレーザー
赤み治療の第一選択は色素レーザーです。より深い赤みはロングパルスヤグレーザーも効果的で、数回〜10回程度 で赤みが改善します。
▶︎光治療
顔全体に広がる浅い場所の赤みには光治療も選択肢の一つで、フィルターで赤みに効く波長に絞って打てる機械が効果的です。
細かい針を刺してそこから熱を加える施術です。深いところにある赤みにも有効で、数回〜10回程度で赤みが改善します。
②皮膚のターンオーバーを促す
…肌のターンオーバーを促すことで、浅いところにある軽い赤みを改善

▶︎ケミカルピーリング
TCAピーリング(コラーゲンピール、ミラノリピール)、サリチル酸ピーリング、グリコール酸ピーリングなどは肌の新陳代謝を促し、赤みの改善を早められる可能性があります。
深い血管や大きな血管には無効なため、赤みが強い場合は上の①血管を焼く治療法を検討しましょう。
しっかり治療したい方は色素レーザーやロングパルスヤグレーザー・ニードル高周波、顔全体に軽い赤みがある場合は光治療、ごく軽い赤み改善と毛穴の掃除をしていきたい方はピーリングといったイメージです。
顔全体が赤い場合は全体に光治療をして赤みの範囲が少なくなってきたらレーザー、などと組み合わせて治療する場合もあります。
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○茶色いシミのような跡(炎症後色素沈着)
色素沈着の治療は①皮膚のターンオーバーを促す、②美白剤、③メラニンを焼いて除去する の三つです。
①皮膚のターンオーバーを促す

…肌の新陳代謝を促すことでメラニンの排出を早める
▶︎ケミカルピーリング
TCAピーリング(コラーゲンピール、ミラノリピール)、サリチル酸ピーリング、グリコール酸ピーリングなどは肌の新陳代謝を促し、色素沈着の改善を早められる可能性があります。
②美白剤
…メラニンが作られるのを抑えて色素沈着の悪化を防ぐ

▶︎美白剤
ハイドロキノン、ビタミンC、トラネキサム酸などの美白剤は、メラニンがこれ以上作られるのを防ぎ色素沈着の悪化を予防します。上のピーリング剤と合わせて使用するとより効果的で、エレクトロポレーションなどで導入するとより肌の奥まで浸透します。
③メラニンを焼いて除去する
…増えたメラニンを直接焼いて除去

▶︎レーザートーニング
メラニンを少しずつ除去し、色素沈着の改善を早めます。上記のピーリング・美白剤と組み合わせるとより効果的です。
▶︎スポットレーザー
色素沈着がシミのように変化している場合は、スポットのレーザーで改善できる場合があります。
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○クレーター(陥凹性瘢痕)
皮膚のコラーゲン量が足りてないため、皮膚を刺激してコラーゲンを増やすよう促します。

▶︎ダーマペン
細かい針で瘢痕部の皮膚に穴をあけて壊し、皮膚を再生させていきます。
表面のみでなく、瘢痕の底辺に当たる深さでしっかりと皮膚を壊す必要があるので、段階を踏んで徐々に深さを深くしてもらうと良いでしょう。
穴を開けたところにTCAピーリングを塗るとより効果的で、通称ヴェルベットスキンと呼ばれています。

▶︎フラクショナルレーザー
CO2レーザーなどで皮膚に細かいレーザーを当てて穴を開け、皮膚を再生させていく施術です。
ダーマペンと比較すると熱も加わるので効果が高めですが、その分ダウンタイムが大きいというデメリットがあります。
ピコレーザーによるフラクショナルでは皮膚の表面には穴が開かないのでダウンタイムを抑えることができます。

細かい針で穴をあけ、その針先から熱を加える施術です。
フラクショナルと同等以上の効果を得ながらダウンタイムが抑えられます。
ポテンツァはさらにドラッグデリバリーシステムにより薬剤を注入することができ、さらに大きな効果が期待できます。

▶︎ピーリング
ピーリングの中でも深い層まで作用するTCAピーリング(コラーゲンピール、ミラノリピール)で皮膚の再構築を図ります。
高い濃度のピーリング剤を深いクレーターに垂らすTCAクロスという治療法もあります。

▶︎サブシジョン
クレーターには皮膚がヒモ状の線維組織に引っ張られて癒着しているタイプがあり、このタイプはその癒着をなくす必要があります。医療用に細い針を皮下に差し込み、線維組織を切断して癒着を剥離する手法です。
癒着を剥がした後ヒアルロン酸や成長因子を注入し、減っているコラーゲンの産生を促します。
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○盛り上がったニキビ跡(肥厚性瘢痕、ケロイド)
肥厚性瘢痕・ケロイドは再発しやすく治療が難しいタイプですが、下記で改善できる場合があります。

▶︎CO2レーザーなどで焼灼する
CO2レーザーなどで皮膚の盛り上がった部分を削り、平坦にします。再発しやすいのでステロイド外用やトラニラストなどの再発予防をするとなお良いでしょう。

▶︎フラクショナルレーザー、ダーマペン、ニードル高周波
盛り上がった皮膚を一旦壊して再生させると、盛り上がりが少しずつ改善していく可能性があります。

▶︎ステロイド
ステロイドには組織を萎縮させる作用があるので、盛り上がった皮膚の体積を減らすことができます。
注射>テープ剤>軟膏の順に効果が高く、一般的な傷跡のケロイドなどではこちらが第一選択ですが、長期間使うと副作用もあるので医師と相談して使用しましょう。

▶︎飲み薬
抗アレルギー薬であるトラニラスト(商品名リザベン)や柴苓湯という漢方薬は肥厚性瘢痕・ケロイドに有効と言われています。
これらの飲み薬は施術前または直後から飲むことで予防的にも使うことができます。
03
ホームケア
ニキビ跡の中で、ホームケアが比較的有効なのは赤みと色素沈着です。
クレーターや肥厚性瘢痕では効果が薄いのでクリニックでの施術を検討しましょう。
○軽いピーリング剤
低い濃度のサリチル酸やビタミンAなど、医療機関でホームケア用の軽いピーリング剤を購入することができます。ターンオーバーを促して薄い赤みや色素沈着の改善を少し早めることができます。
○美白剤
スキンケアに美白作用のある成分を取り入れることで、色素沈着の悪化を防ぎ改善を少し早められる可能性があります。
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